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海岸や砂浜での散骨、海上散骨

海洋散骨のイメージ

なぜ散骨は「海」なのか?

日本では墓地埋葬法という法律があるため、むやみやたらに陸地に散骨することができません。たとえ私有地であっても、地権者に許可を得ないと散骨はできず、その許可を得るのも一苦労です。

それでも散骨を望んだ先駆者達がボートで海上に出て散骨をし、多くの方がそれを真似たため「散骨は海でするもの」というイメージが定着しました。(日本初の海洋散骨が石原裕次郎さんだったことも影響してるのかもしれませんね)

今では霊園散骨カズラ島などもあり、陸地で合法的に散骨できる場所もあるので海で無ければいけないということもなく選択肢は広がっています。ただやはり、映画やドラマなどで海洋散骨の様子を見ているだけにイメージとして頭に残りますね。

海洋散骨の種類

沿岸散骨・・・砂浜や岩場などから海に散骨。
海洋散骨・・・ボートやセスナに乗って遠洋で散骨。海上散骨ともいう。

海への散骨に関する法律知識

日本国憲法においては「個人が節度をもって行う散骨」においては得に違法ではありません(合法でもないですが)。ですので海岸からきちんと粉骨した遺灰を散骨する分には刑事事件として逮捕されることはありませんが、地元住民からは民事事件として訴えられてしまうことは考えられます。(過去例はなし)

特に観光地ではイメージを大切にするため、市区町村単位で条例を設けて規制している所もあります。散骨をしようと思った地域の条例などは必ず確認した方が良いでしょう。

散骨条例のある都道府県一覧

海散骨の方法、許可、手続き、注意点

散骨に許可書は必要ありません。自治体などへの手続きや届け出も不要です。ただし最低限のルールとして、必ず遺骨を2mm以下の粉末状にする必要があります(粉骨)。そのうえで節度をもって散骨を実施します。

この場合の節度とは「個人的に、周りに配慮して、ひっそりと行う」というのが一番合ってるかもしれません。例えば海岸から散骨する場合は、人が大勢海水浴している場所で、集団で喪服を着て行うのは完全にアウトです。

海水浴場にはなっていない場所で早朝などに少人数でひっそり行うのはセーフでしょう。散骨した後に合掌したいかもしれませんが、拝んでると「散骨してる!」と分かるので、ひっそり心の中で念じる程度に留めておいた方がいいかもしれません。

海で散骨する方法まとめ
海で散骨する方法 備考
遠洋(公海)で散骨 × 200海里って370kmも沖合ですよ?遠過ぎ!
業者に依頼して近海で散骨 一番安心だけど料金はかかります。
砂浜や岩場で散骨 一番安価で済むけど民事トラブル注意。
海水浴場 × 絶対ダメ。
橋の上から散骨 × 事故につながるので絶対ダメ。
防波堤の先端から散骨 一番安価で済むけど民事トラブル注意。
自力ボートで散骨 × 危険過ぎるのでダメ!
漁船に載せてもらって散骨 数万円で連れて行ってくれます。
フェリーに乗って散骨 他のお客さんに見つかるとトラブルに発展。
養殖場で散骨 × 養殖業者に訴えられる可能性もあります。

 

人目が気になって散骨しづらいときは…
バケツ散骨経験者のお話ですが、実際砂浜から散骨しようとすると周囲の目が気になってできなくなるようです。

そこで水を入れる容器を用意し、波打ち際から海水を入れて持ってきて、車の中などで遺灰を混ぜて海に戻したそうです。そうすると周囲の人達に怪しまれることも無く、すんなり散骨できるらしいです。

どうしても合掌したい、セレモニーを行いたい場合は海洋散骨を専門にサポートしてる業者に依頼するのが良いです。

沿岸から離れた海上で行われるため周りを気にすること無く堂々と故人を偲びながら散骨することができます。注意点はボート出港時などに喪服を着て集まらないことぐらいでしょう。

海洋散骨禁止マップ

2021年02月現在、赤く塗られた場所(熱海市と伊東市周辺)は明確な散骨ガイドラインや指針があるので散骨はできません。絶対できないという訳ではありませんが、葬送でトラブルになるのは良くありませんので避けた方が良いでしょう。

海洋散骨禁止場所

海洋散骨の費用相場

粉骨して自力で撒けば1.2万円+交通費

沿岸散骨は自分でもできるので、かかる費用は粉骨料金だけです。関東で一般的な7寸骨壺であれば1.2万円程度で粉骨してくれます。関西だと5寸なのでもう少し安く粉骨できるでしょう。あとは遺灰を持って海に行くだけですから最も安価な海洋散骨でしょう。

ボートを使った海洋散骨は2万円~

海洋散骨の場合、メインは船による散骨です。チャーター料金は散骨する場所や参加人数、セレモニーの内容などで違うため各社バラバラですが、遺族で船を貸し切る貸切散骨ですと平均価格は15万円前後、他の遺族と一緒に行う合同散骨だと6万円前後、代行散骨だと3万円前後で散骨できます。

「今なら0円」とか「2体目は無料」などという業者も目にしますが、プロの目から見て、粉骨代や船のチャーター代などを考えると安過ぎて不安です。というか大切な遺骨なのに「物」みたいに扱っていてそういう業者には頼みたくはありません。扱う側の尊厳に対する意識の低さが感じ取れます。

海洋散骨の種類と価格
  相場価格 備考
セスナ・個別散骨 30万円~ 遺族の同乗 少数
船・個別散骨(チャーター) 15万円~ 遺族の同乗 大勢
船・合同散骨 6万円~ 遺族の同乗 少数
船・代行散骨(委託) 2万円~ 遺族の同乗 不可

安心な散骨代行業者ランキング

海洋散骨業者の選び方

最近はホームページのキレイさは信用に比例しなくなってきましたので注意が必要です。一番のチェックポイントは受託側が法人経営であり、その会社がバーチャルオフィスなどではなく、きちんと実在しているかなどを確認しましょう。

散骨業者の中には

依頼者が希望する場所への海上散骨が可能かどうかが最初のチェックポイントです。「節度」ということから具体的な散骨場所を明記していないケースが多いですが、お問合せすれば教えてくれます。また、危険な場所への散骨はきちんと断ってくれます。

次に運営会社の概要を見て、葬儀社なのかボート保有会社なのかも大事なところです。葬儀社主催の場合はサービスが良く高額で、直営の場合は安価な場合が多いです。また、トイレがあるのか?悪天候の場合、避難できる部屋はあるのか?などチェックが必要です。散骨事例の画像を見て、ライフジャケットを着てない場合は要注意です。

海に散骨した時の弔い方

海洋散骨でよく聞かれるのは「散骨した後で拝みたくなったらどうすればいいの?」という質問ですが、海洋散骨の場合は海に向かって拝めば良いと思います。格好よく言うと海全部がお墓のような感じです。筆者である私も父の遺灰をハワイに散骨しましたが、三年祭(神道だったので)の時には散骨したビーチに行って心の中で「元気か~?」と弔っておりました。

「弔う」という行為については、宗教各派の考え方の違いもありますので何とも言えませんが、必ずしもお供え物をして合掌しなければならないというわけでは無いと思います。故人のことを思い出して、気持ちを伝えればそれで良いのかなと思います。「そんなんじゃダメだ!きちんとお供え物をして・・・」という方にはそもそも散骨は向いてないと思います。

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