1. 散骨
  2. セルフ散骨

自分で散骨する方法と流れ

海に散骨に来た車

全部自分で散骨すれば0円

セルフ散骨の一番のメリットは最も安価で済むということです。また、自分で行うことで故人に対して弔いの気持ちを込めることもできます。

手順はそれほど複雑ではありませんが、粉骨に相当時間がかかること、器具を揃える事などを考えると、粉骨だけは専門業者に委託して、散骨は自分で行うという方が圧倒的に多いです。散骨ルールを守れば法律的にもお咎めはありません。むしろ業者が行うよりも個人で行うことの方が推奨されていると思われます。

  1. 祭祀承継者の確認をする
    遺骨や仏壇、お墓などを処分したりできる権利を祭祀承継権(さいししょうけいけん)といいます。この祭祀承継者は法定相続人とは異なるので、配偶者が半分で子供が何等分という考え方はありません。親族で話し合いができていれば、末っ子が一人で全てを承継しても構わないのです。

    遺骨はこの祭祀承継者の権限で埋葬したり移動させたりできますので、先ずは祭祀承継者が誰であるのかを明確にしておく必要があります。
  2. 遺骨を粉にする
    散骨する場合、遺骨は1片2mm以下の粉状にしなければなりません。法律で決まっているわけではありませんが、骨が大きいと拾った人が事件として取り扱う可能性があるので世界共通のルールとして認識されています。

    遺骨を粉状にすることを粉骨(ふんこつ)と呼びますが、ハンマーやすり鉢などを使えばご自身で粉骨することも可能です。ただし平均的な7寸壺の遺骨を2mm以下まで粉化するのには約20時間以上は要します。非常に根気のいる作業で、精神的ダメージも大きいのでご自身でやられる方はほとんどいません。専門の粉骨業者に依頼すると機械を使って60分程度でパウダー状にしてくれますのでこちらが一般的です。

    埋葬してあった遺骨は乾燥が必要です
    お墓の下に埋葬してあった遺骨は水分をたっぷり含んでおり、そのまま粉骨することはできません。骨壺から遺骨を取り出して乾燥させる必要があります。天日干しなら丸一日、乾燥室(湿度35%以下)なら24~48時間ほど必要です。自宅の庭などで天日干しをする際は、ご近所に注意されないよう目に見えないようにするなど配慮が必要です。

    骨を水で洗うのはやめた方がいい
    火葬後の遺骨はとても柔らかいので、水洗いをすると細かい遺骨はほとんど下水に流れてしまいます。超音波などを使って水洗浄する業者もいますが、柔らかい遺骨は超音波を使用すると粉々になってしまい、遺骨の大半が下水に流れてしまいます。
  3. 水溶性の紙袋に入れて封をする
    粉骨後の遺灰は湿気を吸い込みやすいので、そのまま骨壺などに入れて置くと湿気を吸って固まってしまうおそれがあります。できれば水溶性の紙袋などに入れて、飛び散らないように封をし、ジプロックなどに入れて散骨するときまで保管しましょう。アルミパックは空港の保安検査で中身を確認される可能性がありますし、静電気が帯びた場合、遺灰が中にこびりついてとれなくなりますので、そのまま散骨できる水溶性の紙袋がお勧めです。
  4. 骨壺や骨箱などを処分する
    遺骨を取り出した後の骨壺、骨箱、外装品などは故人のお名前などが記載されている場合がありますので適切な処分が必要です。

    骨壺…素材としては陶器なので、ハンマーなどで割って、お名前などが解らないくらい細かくしてから燃えないゴミとして捨てます。骨壺はそのまま置くと回収してもらえない場合もありますので最も注意が必要です。

    木製の骨箱…ハンマー等で割れば木材ですのでこれも可燃物で出せます。ただし、きれいに布が貼ってある骨箱は「混合可燃物」になりますので、そのまま出すと回収してもらえないことがあるので、破壊して分別します。

    風呂敷…可燃物として普通に出せます。

    位牌…宗派により考え方は様々ですが、基本的に白木の位牌は49日までの仮位牌で、黒塗りの本位牌に性根移替を行ったらお焚きあげしてもらいます。
  5. 散骨する
    散骨する方法は場所や時期などにより様々です。一般的にはボートをチャーターして海上散骨をしますが、最近では故人が慣れ親しんだ私有地などに散骨する方も増えています。釣り好きだった方はいつも座ってた釣り場とか、波乗りが好きだったサーファーの方はいつも通っていたポイントなど、散骨場所も多様化してきました。節度を守って散骨してください。

散骨できる場所、できない場所

自分で散骨するのは大変だな・・・という方は散骨代行というサービスもありますのでご検討ください↓

まごころ散骨

 

散骨旅行を行う方が増えてます

故人にとって最も嬉しい散骨は大好きだった場所への散骨です。ということで遺族が故人の思い出の場所を巡って少しずつ散骨する「散骨旅行」が流行ってます。一気に巡るのではなく、数ヶ月かけて少しづつ旅を楽しみながらスローペースで行う方が多いです。中には「え?そんな所に?」という方も中にはいらっしゃいましたが、節度をもって行えばいいのかな?なんて思いました。

何よりも散骨をするという目的ができて、活動的に旅行されてる方々の目がイキイキしているのがとても印象的でした。葬送という儀式は故人の魂よりも残された方々の慰めの為の行事なのかもしれません。

散骨旅行

 

自分で海洋散骨をする方法

法律上は規制がないので個人が葬送として行う場合は海岸線から散骨しても違法ではありませんが、節度無く海水浴場や養殖場などの近くで散骨すれば民事レベルで問題になりかねません。ですので可能な限り沖合に出て海上で散骨することが好ましいのですが、自家用ボートを保有している方はほとんどいないので自力での海洋散骨には制限が多いのが実情です。

シュノーケリング

例えば釣りが好きだった方は釣り仲間が防波堤の先端から散骨してくれたり、サーファーはサーフボードで沖に出て散骨してくれたりするそうです。海水浴場に指定されていない岩場を選ぶとかもアイデアの1つでしょう。火葬後の遺灰はリン酸カルシウムですので、成分としては魚の骨と一緒ですので完全無害です。

フェリーやルート船などに乗船して、沖まで出たところでデッキから散骨するといった方法も考えられますが、ルート船の航路には散骨禁止の場所が多く含まれてますし(養殖場の近くなど)、運行会社に迷惑をかける結果になりかねないのでやめておいた方が良いと思います。

海へ散骨する方法・注意点もっと知りたい方

自力で空葬散骨や宇宙葬をする

自力散骨で空葬は非常に難しいです。風船につけて飛ばすという方法も考えられますが、素人が飛ばした風船はどこで割れるか見当がつきません。また、万が一袋に入れたまま割れて落ちた場合、粉骨したとは言え1.5kg~3kg程度はありますので民家などに落ちれば甚大な被害をもたらします。

最近ではドローンによる散骨も考えられますが、ドローンから物体を落とす行為は航空法に抵触します。以上のことから、飛行機以外の、空からの散骨は自力ではやらない方が良いと思われます。

空葬の一種に、宇宙葬というのがあり、巨大バルーンに遺灰をくくりつけて飛ばし、大気圏で破裂させて散骨する方法などがあります。バルーンには重量制限があるため、全ての遺灰は撒けないらしく、2gや5gなど一部の遺灰だけになります。残った遺灰はどうするの?という問題が残ることと、破裂したバルーンがゴミ化することが懸念されており、エコロジーを推奨する散骨希望者からは否定的な意見が出始めています。

自力で樹木葬をする

お花畑

基本的にはきちんと粉骨した物であれば、許可を得た私有地などに撒くことは可能です。穴を掘って埋めたり、墓標を建てると埋葬法に抵触します。木の根元などに粉骨した遺灰を撒く場合は違法にはなりません。ペットは規制対象外ですのでどこに埋めても基本的にはおとがめ無しです。

桜の根元に散骨できる樹木葬が¥36,000(税込)
遺骨を粉末にすることを条件に、桜の木下に埋葬できる樹木葬があります。場所は千葉県市原市にある「緑の丘霊園」です。合祀墓として認可を受けた霊園ですので安心して頼めます。詳しくはこちら → 樹木葬代行コース

正しい樹木葬と募集型樹木葬の注意点

その他、自分で散骨するときの注意点

節度を守って行えばどこでも散骨できるわけではありませんので、散骨できる場所、できない場所をよく確認してから実施されることをお勧めします。遺灰は平均して2kg前後ありますので結構な量です。海や川だとサラサラ~というよりはドボンッ!という感じになりますし、土に撒くと辺り一面は真っ白になります。

埋葬したときの遺灰

また、周囲の目を気にして早朝や深夜に散骨する方も多いようですが、暗い中海や山に行くのは危険を伴うので注意が必要です。

以上、自分で散骨する方法をまとめてみましたがいかがでしたでしょうか?無理はせず、任せるところは業者に任せて安全に散骨しましょう!

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粉骨料金と諸費用